・この項では、「セクシュアリティ(sexuality)」の解説をしていきます。
LGBTQ+は性的少数者(セクシュアルマイノリティ/sexual minority)を表す言葉の一つです。
では、「セクシュアリティ/sexuality」とは何でしょうか。
今回の記事は『人(間)の性・セクシュアリティ』について解説したいと思います。
セクシュアリティについては『自分らしく生きる』ことの重要なファクター(要因)となっています。
最後までお付き合い頂ければ幸いです。
人の性(セクシュアリティ)とは
現代の〔人の性 / セクシュアリティ(sexuality)〕については、これといって定義がありません。
一言で表せる言葉がないのです。
しいて言えば、「自分の性のスタイル(あり方)」と言うどうにも抽象的な答えしか出せないのがもどかしくもあり、また「多種・多様・多彩な性のあり方」の中では当たり前なのかもしれません。
人の性〔セクシュアルティ(sexuality)〕を考える
現在、人の性の概念は、
- 『生物学的な性』(sex / セックス)
- 『社会的・文化的な役割としての性』(gender / ジェンダー)
に大別されています。
ここで日本大百科全書(ニッポニカ)のセクシュアリティの解説を一部引用させていただきます。
狭義の性行為だけでなく、性と欲望にかかわる人間の活動全般を指す語。ただしこの語は「セックス」や「ジェンダー」と複雑に絡み合っており、厳密な定義は困難である。セックスは生物学レベルの営みを、ジェンダーは文化的性差を指すとされるが、セクシュアリティはそのどちらをも含み、生殖、快楽、恋愛、自己表現といった多様な領域にまたがっている。~略~
引用:コトバンク/ 日本大百科全書(ニッポニカ)「セクシュアリティ」の解説
生理学・生物学的な性〔セックス(sex)〕
『生理学・生物学的な性(セックス/sex)』とは、生まれ持った「遺伝子」「身体的機能・特徴」「生殖機能・生殖器」すなわち「体の性」で性を定義しています。体の性で性を定義すると「男性」と「女性」という2つが〔主な〕構成要素になります。
実際には「遺伝子」「身体的機能・特徴」「生殖機能・生殖器」において「男性・女性」と明確に分類できない「DSD [Disorder of Sex Development] / 性分化疾患」の方がいますので、正確には生物学的な性(セックス/sex)は「男性」「女性」「DSD」の3つの分類になります。
大まかに3つに分類しましたが、DSDも多種多様です。DSDで性は、男性・女性との分類が困難な場合があります。その場合の体の性は、本人の認識・自認になるようです。
社会的・文化的な役割としての性〔ジェンダー(gender)〕
生物学的な性(セックス/sex)に対し、『社会的・文化的に作られる性(ジェンダー/gender)』という概念があります。
これは社会的・文化的役割から見た「男性とは」「女性とは」という性の概念(考え方)です。
日本で見ると「男なら寡黙」「女はおしゃべり」といった根拠のないものや、「男の子だから青い服」「女の子だからピンクの服」といった文化的な固定概念までいろいろな「男らしさ」「女らしさ」です。
ここでジェンダー論を語ると長くなってしまうので割愛しますが、社会的・文化的な背景から発生した「男性らしさ」「女性らしさ」といった性がジェンダーです。
※ここでは様々な問題をはらむジェンダーの「男らしさ」「女らしさ」には触れません。あくまでも大枠の概念の話にとどめておきます。
狭義のセクシュアリティ
狭義のセクシュアリティとは、「(本能的・自然的な)性行為及び性行動」を意味します。
狭義のセクシュアリティの構成要素は
- 体の性(男性・女性)
- 性的指向(狭義※1)
※1 狭義の性的指向は、「異性愛」「同性愛」のみを範囲とした性的指向
狭義のセクシュアリティは、『性行為及び性行動』が生物学的の性(sex)に基づいて決定されるという概念の人の性(セクシュアリティ)です。
広義のセクシュアリティ
広義のセクシュアリティとは、性行為及び性行動だけではなく、人間活動における性と欲望全般を意味します。
広義のセクシュアリティの構成要素は
※2 男性、女性、DSD、すべての性
※3 広義の性的指向は、すべての性を範囲とした性的指向。
広義のセクシュアリティ(人の性)は、「生物学的な性(セックス/sex)」と「社会的・文化的に作られる性(ジェンダー/gender)」両方で構築されるという概念です。
広義の人の性(セクシュアリティ)は、それぞれに複雑な相関関係があるため、一言で「セクシュアリティとは、〇〇です」と断定ができません。そのために「自分の性のスタイル(あり方)」と表現されます。
まとめ
セクシュアリティは、人として生まれ、今まで生きてきた中で無意識に育まれてきた自分の性です。
「セクシュアルマイノリティ」であれば、「セクシュアルティ」が何かを理解することで、今までの自身の悩みや迷いが軽減できるかもしれません。
「セクシュアルマジョリティ」であれば、「セクシュアルティ」が何かを理解することで、相手を否定せず認め合うことができるようになるかもしれません。
日本中が笑顔あふれる社会になればいいなと願っています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
Akabeko3
この記事:【セクシュアリティ】 とは
別記事:セクシュアリティの構成要素 1【生物学的性】
別記事:セクシュアリティの構成要素 2【性自認】
別記事:セクシュアリティの構成要素 3【性的指向】
別記事:セクシュアリティの構成要素 4【性表現】【ジェンダー役割】
追伸
- 「説明が間違ってるよー」
- 「ここもうちょっと説明が足りない」
- 「誤認あるよー」
- 「解釈が違っている」等
ご指摘・ご意見・ご要望・アドバイス等がありましたら、下記Twitterまでお願いします。もちろん異論反論もOKです。ディベート好きです。お友達も募集中です♪
Twitter:アットマークakabeko_sun
参考:日本大百科全書(ニッポニカ)小学館 セクシュアリティ せくしゅありてぃ sexuality
参考:『文教大学国際学部紀要 2016/07』日本語「セクシュアリティ」概念の整理に向けて椎野 信雄
https://bunkyo.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=6770&item_no=1&attribute_id=37&file_no=1